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1-4

今回のこの訓練は始めの合図が無い。
したがって、何時、どのように始まるのかがわからない。
一番奥の機械の陰に案山子を立てて、じっと息を潜めて待った。
一分、二分…
バアーーン!!とドアが爆破されたような轟音が響き渡った。
思わず顔をしかめる。
「どこに行きやがった、あの野郎!!」
「っ!」
再び現れた和哉さんは完全武装をしており、そのうえ、本気の顔をしていた。
「出て来い!!さっさとやつを渡せぇ!!」
その咆哮にも似たような声に続き、何かが破裂した音が連続で発生した。
恐る恐る顔をだし、確かめる。
「本気ですか…」
散弾銃から煙が出ていました。
しかも、自分の隠れていたところを含め、一面にまんべんなく弾痕が刻まれています。
「出てこねえなら…」
ガチャリと音がする。
反射的に私は飛び出していました。
「やめてください」
「何を言ってるんだ?」
「へ?」
「へ?じゃないだろうが!!俺たちの追っているやつを出せって言ってんだよ!!」
「うわっ」
撃たれる。
それを察知した私は能力を発動した。
それとほぼ同時に和哉さんの銃が火を噴く。
発砲音だけが聞こえてくる。
「…てめえ」
しばらく続いた発砲音が止み、和哉さんの怒りに染まった声が聞こえてきた。
自分にダメージはない。
なぜなら目の前に紅蓮に染まる壁が出現していたから。
二宮獄炎流、焔壁。
大概の物質ならその高温の炎の壁で蒸発してしまう。
そしてその壁を飛び越えて和哉さんに炎で作った剣で切りかかる。
和哉さんは横に跳んで再び引き金を引いた。
私は炎の剣を振い、炎の剣撃を飛ばす。
衝突音はない。
剣撃に触れたものはすべて焼かれるのみ。
銃弾程度なら焼くだけではなく、やはり蒸発するだろう。
そして剣撃は勢いを失うことなく和哉さんに襲い掛かる。
しかし、和哉さんは少し自分の立ち位置をずらすだけでその剣撃をかわした。
そして銃を投げ飛ばしてきた。
慌てず銃を焔弾で焼き尽くす。
「うおおおおらあああ!!」
「ちいっ」
その間に懐に入られ、いつの間にか握られたダガーを私を襲う。
状態を捻り、間一髪でその攻撃をかわすが、続いて出された足払いを避けれず倒される、所を
「くそっ!」
体を炎と化し、倒れる予定の場所から離れた場所に出る。
二宮獄炎流、炎心と呼ばれる業である。
体を炎と化することによってほとんどの物理的な攻撃を無力化させ、この状態で敵に触れば焼くこともできる。
しかし、
「そのダガー、反能力物質ですね」
「聞かれて答えるとでも、思ってるのか!!?」
人間ではまずあり得ない瞬発力を発揮し、一気に肉薄される。
「焔剣!!」
手に再び炎の剣を出現させ、ダガーを受け止める。
いや、受け止められた。
この剣を止められるのは何かしらの能力で作られた剣や棒か、先ほど聞いた反能力物質が混じったもの。
和哉さんは体術は本気を出しているものの、能力はまだ出していない。
そこから導き出されるのは、反能力物質!
「勝負中に考え事とはいい度胸じゃねえか!!」
「しまっ」
後悔しても遅い、わずかにできてしまった隙を和哉さんが逃すはずもなく、そのダガーは蛇のように私の眉間に迫り、
「ここまでだな」
「……」
薄皮一枚と言ったところで止まった。
体からどっと冷や汗が出る。
そして力が抜け、その場に崩れ落ちた。



「負けました」
そのあと、出されたタオルで額をぬぐいながら負けを認めました。
しかし、和哉さんは納得していないというような顔をしています。
そして無言で私から離れ、案山子を隠した場所に行きました。
戻ってきた和哉さんの手には、顔に銃痕がある案山子がありました。
「お前は二重に負けた」
「二重…」
「ああ、お前はなんで俺と戦った?」
「え?」
それは…
「お前の今回の目的、いや、任務は護衛対象の護衛および安全圏まで護送だろう」
「その通りです」
「だろ?なのにお前は自分が殺されたばかりか、護衛対象まで死亡させてしまった」
こんな風にな、と案山子がぽいっと捨てられました。
そして一瞬で塵になり、そのまま不可解な風に外に運ばれて行きました。
和哉さんの能力、風を使われたのでしょう。
「守る…というのは何かを捨てなければいけない」
「何かを、捨てる」
「そう。たとえばさっきの時、俺はお前が出てこないと思った」
最初に銃弾をばらまいた時だろう
「なぜですか?」
「お前、警護対象一人にして守れるの?」
心底呆れたというような声でした。
「もう一人、誰か仲間がいるならばああいう感じでもいいけれど、さっきの場面にはお前ひとりしか警護者は頼れるものがいないはずだ。その場でじっとしてろと言ったって、動いてしまう可能性が高い。それに、俺がもし複数人なら、お前を俺がひきつけているうちに別の行動隊が警護者を攫っていたかもしれない」
「確かに・・・」
それは盲点だった。
そう思うと、すぐさま出ていって戦った事がおろかに思えた。
「しかし、すぐに戦いに出たとしてもいい」
「なぜですか?」
「お前が自分の身を守りながら、警護者に神経をさき、さらに追跡者を全滅させれるなら、だけどな」
なるほど。
「それだと、一瞬で勝負を決めることがカギになりますよね?」
「それは状況次第だろ」
そこまでは知らんと言われた。
そこまで自分も和哉さんに頼る気はなかった
「守るならば、まず戦うという選択肢を捨てろ。どうしてもたたかわない状況ならば、自分の何かをなくしたとしても警護者を守り抜け。それが」
「「幻殺士」」
2人は顔を見合わせ、どちらからもなく笑い出した。
その後、お風呂借りてさっぱりした後、学校に登校しました。
和哉さんと同じ高校、同じクラスですがちょっと事情があるので一人で行きました。
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プロフィール

結城

Author:結城
結城 史進(ゆうき ししん)
大学生から社会人に変身した。
最近は仕事をする傍らで帰ってからSS書いたりするのが趣味。
合同誌に少しながら参加していったりしてます。

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C90 
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砲雷撃戦!よーい!合同演習四戦目 
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