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2-2

特別収容患者と言っても、精神的におかしいとかいう人たちが入ってるわけではない。
そこに入院しているのは能力に関する悩みや障害がある人たちでした。
たとえば、体が変身したものから戻れなくなった、とか。戦闘によって体の一部が欠損したから、とか。
もちろんそれだけではありません。
中には手に入れた能力を失いたい人もいる。
そして、もっと珍しいのが能力が全く制御できないために隔離されている人もいます。

「連絡は受けています。こちらです」
「どうもありがとうございます」

夏目恵理は珍しい方でした。
それゆえに、万全の予防がなされた部屋にいます。
いや、収容されています。

「ここです」
「ここが、ですか」

ただただ圧倒されました。
能力を押しとどめる印や呪文がいたるところに張り巡らされたフロアに。
チリチリと肌を焦がすような痛みが全身に走ります。
無視できそうで出来ない微妙な加減です。

「この痛みは…」
「能力に反応する特殊な印を京都の四上院家から送ってもらっています。それの影響です」
「そう、ですか」
「あ、こちら渡すのを忘れていました」
「札ですか?」
「ええ。これを持っていれば痛みは少なくとも半減程度までは収まるはずです」

確かに札を渡されたら痛みが魔法みたいに引いていきました。
痛いというよりもかゆいという感じくらいまで。
出来ればもう少し早く出してもらいたかったです。

「では案内の方お願いします」
「こちらの一番奥のほうになります。最重要指定されている患者様ですから」

静かな廊下に二人分の靴音だけがこだまします。
病院内といえども、不自然なほどの静かさです。
各部屋に防音処置でも施しているのでしょうか。
そうでもないとここまで何の音もないというのはおかしいです。

「二宮様は不安になられないのですか?」
「というのは?」
「ここまで静かなのに私はとても不安に駆られます。ここはいろんな患者様がいますから各部屋だけではなく、廊下まですべて防音処置が施されているのです。実際にこの私たちの会話さえ、扉一枚隔てた部屋では何も聞こえないのです。逆に言えば、部屋でどれだけ音を立ててもよっぽどのことさえしない限り何にも廊下に聞こえてきません。その不自然すぎる静けさが私は怖いのです」
「わかります。私も平時と頭ではわかっているのですが、どこか緊張しています。これから何かとんでもないことが起きるのではないかと思えるほどに」

臨戦状態にしなければいけないような気がしてきます。
全く戦う必要もないというのに。

「ここが、彼女の部屋です」

インターホンを鳴らすと、ネームプレートに赤いランプがともりました。
入るのを少し待つと、今度はランプが蒼に。
そして、扉が開きました。
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プロフィール

結城

Author:結城
結城 史進(ゆうき ししん)
大学生から社会人に変身した。
最近は仕事をする傍らで帰ってからSS書いたりするのが趣味。
合同誌に少しながら参加していったりしてます。

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